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中澤 匠
まとめ
1、フィルムコミッション(FC)とは?
映像産業(映画、テレビ番組、CM、写真撮影、PVなど多岐に渡るもの)を誘致し、製作支援(ロケーション案内、許認可の申請代行、宿舎やレンタル会社などの紹介、エキストラの手配など裏方の作業)を行なう非営利の公的団体のこと。
世界初のFCは1940年代後半、アメリカにて設立される。
日本では平成12年2月23日、大阪にて初めて設立される。
日本では2002年10月1日現在、全国FC連絡協議会に加盟しているもので、32団体ある。
全国FC連絡協議会とは、日本のFCのトップというよりも、FCの代表者が集まって、意見を交換する会といえる。民意団体(サークルのようなもの)事務の所在は国際観光振興会(特殊法人、国土交通省)になる。
FCに国土交通省が関わってくるのは、観光政策を旧運輸省が担当していたため。
そのためか、日本においてはFCの活動と観光振興を結びつける団体が多くを占めている。
例)松本市
市役所設立当時から観光に関する課があった。
FCを立ち上げたのは2001年10月1日。
1年間の活動で、32件の撮影を支援した。FC設立以前と比べ、ホームページなど情報の
提供が増えた点が、撮影本数を増やした要因といえる。
今後の課題は、市民への理解促進。
FCの活動を進めるうえで、行政、市民の協力はあればあるほどいい。
松本市のように行政側が積極的に設立したFCの場合は、住民の理解、協力が増すことによって、さらに発展することが出来る。また、市民発のFCの場合は、行政の協力が不可欠である。
それとは別に、多くのFCとしての希望として、国外の映画(特にアメリカ、ハリウッド)を誘致してくるということがある。現在、カナダ、オーストラリア、イギリス、韓国など世界的にこの誘致に取り組んでいるところがある。
その理由は、ハリウッド映画のもたらす経済効果と世界的PR度の高さにある。
誘致の決め手となるのは、ロケ場所として望ましいということを基本として、撮影サポートの充実、編集技術力の高さ、などが挙げられる。
ハリウッド発の映画には数に限りがあるため、誘致の取り合いになることは考えられることである。
非営利を原則とし、実際余り予算をかけていない日本の団体が個々に誘致を行なうのは不利ではないかと思う。
そこで
日本のFCの今後
・市民の協力を得るために、呼び水として撮影・編集のすべて、ないしほとんどを日本で行なうハリウッド映画を誘致する。
・そのために、全国FC連絡協議会と国土交通省がFCとしてではなく、誘致のみに力を
置く団体を立ち上げる。
・ 同時にハリウッドの映画を実際に誘致できた時、対応できるように東京、大阪、横浜、神戸、北九州などロケ支援の実績がある都市のFCを中心としたFC同士の協力関係を作る。
・ カーチェイスや派手な爆発シーンを可能にするための法整備をする